トレードで勝てる人と負ける人の差は、才能やセンス以前に「知識との付き合い方」に出ます。
多くの人は負けが続くと、まず知識を増やそうとします。
・テクニカルを広く学び、
・インジケーターを追加し、
・ファンダメンタルズも勉強し、
・経済指標も追いかける
努力の方向としては一見正しそうに見えますじ、実際私が初心者のときもそのように考え、「もっと知識を入れ込まないと勝てない」と考え、必死になっていました。そして「これだけ勉強しているのになんで結果が出ないんだ」と悩んでいました。
ですが現実には、そのようなパターンに陥るのは私だけでなく、多くの人がこのような行動を取りますし、その姿勢のまま勝てるようになる人は少ないです。
なぜなら、知識を増やすほど判断が鋭くなるのではなく、むしろ判断が鈍るケースが多いからです。
負ける人の典型は、「たくさん知識を詰めば勝てるようになる」という前提に立っています。もっとテクニカルを広く勉強しよう、ファンダメンタルズも勉強しよう、あれもこれも知らないと危険だ、という発想です。
ここで誤解してはいけないのは、学ぶ姿勢そのものが悪いわけではないという点です。
知識を増やすこと自体は悪ではありません。むしろ真面目に学ぶ人ほど伸びしろがあります。
ただし、その知識が「浅いまま増えていく」と、トレードは簡単に壊れます。増えた知識が武器になるのではなく、迷いの材料になってしまうからです。
浅い知識の怖さは、情報として頭に残るのに、実戦で使えるレベルに落ちていないことです。
たとえば「この指標がこうなったらこうだ」「このニュースが出たら相場はこう動く」など、断片的なルールだけが増えていく。
するとチャートを見た瞬間に、判断が一つに収束せず、頭の中では
・この情報だと今から買うべきだと判断できる
・でも、このインジは逆を示している
・でも、別の時間足だと形が微妙だな…
・でも、最近の指標発表だとこうなっているし
・でも、ニュースだとトランプがこう言っていて、
・さらにSNSでもこう書かれていたし…
という様々な視点があるが故に悩むことが増え、本来結果を導きやすくするために仕入れた情報がかえって邪魔をして、結果悩みが増えるだけで、「これからどうすればいいのか」という重要な結論に辿り着くことができないことが往々にして発生します。
トレードは受験勉強のように「知っている」だけで勝てる競技ではありません。試験のように知識を多く暗記した人が高得点を取る世界ではなく、意思決定と実行の世界です。 しかも実行は、毎回同じ条件が揃うわけではない相場の中で行われます
だからこそ、迷いの材料を増やすほど、チャンスに反応できなくなります。負ける人ほど「条件が揃うまで待て」と頭では理解しているのに、実際には待てません。
待っている間に置いて行かれる恐怖が出て、根拠の薄い場所で入ってしまう。 一方で、いざ条件が揃ったように見えても、余計な知識がノイズになって「でも…」が出て動けない。
こうした矛盾が起きます。
つまり知識が足りないから負けているのではなく、知識が中途半端に多いことで、判断の軸が崩れている場合があるのです。

では勝っているトレーダーはどう考えるのか?

それに対して、勝てるトレーダーの発想はシンプルです。

ローソク足と1つか2つくらいのインジだけでいいと思っているトレーダーが大半です。
勝てる人は少ない材料を徹底的に磨いています。
ローソク足、そして補助としてのインジケーターなど、その範囲に絞った上で、同じ条件を何度も見て、何度も検証して、何度も失敗し、修正し、判断を自動化するレベルまで落とし込んでいる傾向があります。そのため決断が速く、行動がブレにくい状況を創り上げています。
ここで重要なのは、 シンプルな手法だから勝てる(勝ちやすい)のではなく、 シンプルであるがゆえに判断を再現しやすいことです。
トレードで一番難しいのは、チャートを見ている時に毎回同じ判断ができることです。相場の形は似ていても同じではありません。
そこで判断材料が多いと、毎回違う結論を出してしまいがちです。
Aのサインを優先する日もあれば、Bのサインを重視してしまう日もある。 そうなると、勝ち負け以前に「自分が何をしているのか」が曖昧になります。特に初心者のうちはそうです。
曖昧な意思決定の繰り返しでは、改善もできません。 改善できないトレードは、いつまでも運の要素が大きくなりやすく、折角負けたとしてもそれを活かすことができません。

知識がありすぎると逃げやすくなる

また、知識が増えるほど撤退が早くなることがあります。
たとえばエントリーしたあとに「やっぱりここの抵抗帯が機能するかもしれないから」と不安になり、建値にストップをすぐ上げて逃げ道を作る。
少し含み益が出ると「今のニュースが怖い」「指標が近い」「これがこうなって急変するかもしれない」と理由を付けて利確してしまう。
逆に、損が出ると「でもこの形なら戻るかもしれない」と別の知識を持ち出して損切りを遅らせる。
どれも一見もっともらしいのですが、共通しているのは知識が意思決定をブレブレにさせている点です。知識が増え、都合よく解釈できる情報が多くなれば、エントリー前に考えていたルールをあれこれ理由をつけて簡単に破らるようになり、結果としてパフォーマンスを低下させる要因になります。

では勝っている人はどうしているのか?

勝てる人においても、そうした情報から迷いが全くのゼロであるということはありません。相場に絶対はないので、迷いがあるのは普通です。

ただ勝てる人は、迷いがある中でも決めた型に従って実行します。 知識としてはそうかもしれないが、これまでの膨大な経験量からその知識を今は重視すべきかどうかの取捨選択をきちんとでき、知識における優先順位付けを明確にできているため、ここから下がる根拠があったとしてもきちんと握ることができたりし、結果、値幅を取って大きく稼ぐことができたりします。

知識を詰め込むことは悪なのか?

結局のところ、知識を詰める姿勢が悪いのではなく、浅い知識を増やすことによって ・どの情報を重視すべきなのか優先順位付けができない ・情報の取捨選択ができなくなる

これらが問題の根本になります。 中途半端な知識が増えるほど、チャンスの場面で「でもこの情報だとこうなるから…」と頭によぎり、攻めるべきところで攻められなくなります。 そうした取捨選択ができないのであれば、そもそも知識を入れすぎる必要はないと私は考えます。
勝てるトレーダーは知識としては豊富ですが、使えるものと使えないものをきちんと分けて考えており、情報の取捨選択、優先順位付けを明確に行うことができています。そのため迷いが減り、実行がブレなくなり、失敗から学ぶことができ、自身のトレードを改善させることができます。
ここが、勝てる人と負ける人の決定的な差です。
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